家の顔ともいえる玄関。その玄関のセキュリティとコミュニケーションを担う重要な設備が「インターホン」です。ひと昔前までは、来客を知らせるだけのシンプルなチャイムが主流でしたが、今や私たちの暮らしをより安全で快適にするための多機能なデバイスへと進化を遂げています。「そろそろ古くなってきたから交換したいな」「防犯のために、もっと高機能なものにしたほうがいいのかな?」と感じてはいるものの、種類が多すぎて何から手をつけていいか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事は、そんなインターホンに関するあらゆる疑問やお悩みを解決するためのお役立ち情報だけを詰め込んだ、いわば「インターホンの教科書」です。特定の商品をおすすめしたり、ランキング形式で紹介したりすることは一切ありません。宣伝を目的とせず、純粋にあなたのインターホン選び、そして快適な暮らしづくりをサポートすることだけを考えて執筆しました。この記事を読めば、あなたのご自宅やライフスタイルに本当に合ったインターホンがどのようなものか、きっと見えてくるはずです。さあ、一緒にインターホンの奥深い世界を探検してみましょう!
インターホンの基礎知識|知っているようで知らない世界
まずは基本の「き」から。インターホンとは何か、どんな仕組みで動いているのかを改めておさらいしてみましょう。基礎を知ることで、機能や種類への理解がぐっと深まりますよ。
そもそもインターホンって何?ドアホンとの違いは?
「インターホン」と「ドアホン」、普段何気なく使っている言葉ですが、実は少しだけ意味合いが異なります。
一般的に「インターホン」は、建物内外や建物内の部屋同士でコミュニケーションをとるための設備全般を指します。オフィスや病院で使われる内線電話のようなものも、広い意味ではインターホンに含まれます。一方の「ドアホン」は、その名の通り「ドア(玄関)」に設置され、来訪者と会話するための設備を指す言葉です。つまり、ドアホンはインターホンの一種、ということになりますね。
ただ、現在では家庭用の玄関に設置するインターホンを「ドアホン」と呼ぶことが多く、特にカメラ付きのものは「テレビドアホン」という名称で広く浸透しています。この記事では、主に玄関に設置する「ドアホン(テレビドアホンを含む)」を「インターホン」として解説していきますので、その点だけご了承くださいね。
インターホンの基本的な仕組み
インターホンは、大きく分けて2つの機器で構成されています。
- 玄関子機(げんかんこき):玄関の外壁に設置され、チャイムボタンやカメラ、マイク、スピーカーが内蔵されています。来訪者が操作する部分ですね。雨風にさらされるため、防水性や耐久性が求められます。
- 親機(おやき):室内に設置され、玄関子機からの呼び出しに応答するための機器です。モニター画面や通話ボタン、各種設定ボタンが付いています。最近では、親機だけでなく、持ち運び可能なワイヤレス子機がセットになっているタイプも増えています。
この玄関子機と親機が電気的に接続され、情報のやり取りを行っています。その接続方法にも種類があり、後述する「電源方式」や「取り付け方法」に大きく関わってきます。
インターホンの進化の歴史
今でこそ当たり前のインターホンですが、ここに至るまでには長い歴史があります。ちょっと振り返ってみましょう。
- 黎明期(呼び鈴・チャイム):最初は、来客を知らせるだけのシンプルな「呼び鈴」や「チャイム」でした。音だけで相手が誰なのかは分からず、ドアを開けるまで確認できませんでした。
- 音声通話の時代:次に登場したのが、音声で会話できるインターホンです。これにより、ドアを開ける前に相手とコミュニケーションをとれるようになり、少しだけ安心感が増しました。
- 白黒モニターの登場:そして画期的な進化が、モニターの搭載です。白黒の映像ではありましたが、相手の姿を「見る」ことができるようになり、防犯性が飛躍的に向上しました。「テレビドアホン」の誕生です。
- カラーモニター・高機能化の時代:技術の進歩とともにモニターはカラーが当たり前になり、画質も向上。さらに、留守中の来客を自動で録画する機能や、夜間でも顔をはっきり確認できるLEDライト付きのものが登場し、どんどん高機能になっていきました。
- 現代(ネットワークの時代):そして現代。インターネットと接続することで、スマートフォンと連携できるインターホンが主流になりつつあります。外出先からでも来客対応ができたり、家の安全を遠隔で見守ったりと、インターホンはもはや単なる「応答装置」ではなく、暮らしのハブとしての役割を担い始めています。
このように、インターホンは社会のニーズや技術の進化に合わせて姿を変えてきました。この進化の歴史を知ると、次にどんな機能が求められるのか、少し想像が膨らみますね。
【種類別】インターホンを徹底解剖!あなたに合うのはどれ?
さて、ここからが本題です。インターホンには実に多くの種類があります。「機能」「電源方式」という2つの大きな軸で分類し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。ご自身の住まいや暮らしを思い浮かべながら読んでみてください。
機能で選ぶインターホンの種類
まずは、どんなことができるのか、という「機能」に注目して種類分けをしてみます。
音声のみのインターホン
メリット:
- 構造がシンプルなため、本体価格が比較的安価な傾向にあります。
- 操作が簡単で、誰でも直感的に使えます。「通話ボタンを押して話す」だけなので、機械操作が苦手なご高齢の方でも安心です。
- 消費電力が少ないため、乾電池式でも長持ちしやすいです。
デメリット:
- 来訪者の顔が見えないため、防犯面では不安が残ります。声を変えたり、複数人で来ていたりしても分かりません。
- セールスや勧誘などを断る際に、相手の様子が分からないため心理的な負担を感じることがあります。
- 現在では新規で設置されることは少なく、主に既存の設備の交換用として使われることが多いです。
こんな人・こんな家におすすめ:
- とにかくコストを抑えたい場合。
- 防犯面よりも、単純に来客を知らせる機能があれば十分と考える場合。
- 機械の操作を極力シンプルにしたいご高齢者だけの世帯。
モニター付きインターホン(テレビドアホン)
メリット:
- ドアを開ける前に来訪者の顔や姿を確認できるため、安心感が格段に向上します。これが最大のメリットです。
- 不要なセールスや勧誘に対して、顔を見ながら、あるいは応答せずに断ることが容易になります。
- 子供だけで留守番をするときも、誰が来たのかを映像で確認できるため、安全性が高まります。
デメリット:
- 音声のみのタイプに比べると、本体価格は高くなります。
- モニターがある分、親機の設置にある程度のスペースが必要になります。
- 画面サイズや画質によって、価格や満足度が大きく変わってきます。
こんな人・こんな家におすすめ:
- 現代において、インターホンを新規で設置・交換するほとんどすべての世帯。
- 防犯意識が高い方、一人暮らしの女性や学生。
- 小さなお子様がいるご家庭。
録画機能付きインターホン
メリット:
- 留守中に誰が来たのかを後から確認できます。宅配便の不在票と映像を照らし合わせたり、知人の訪問に気づけたりと非常に便利です。
- チャイムが押されると自動で録画を開始するため、万が一の不審者やトラブルの際に、動かぬ証拠として映像を残すことができます。
- 「録画されています」というステッカーを併用することで、空き巣や不審者に対する威嚇効果も期待できます。
デメリット:
- 録画機能のないタイプに比べて、価格が少し上がります。
- 録画データの保存方法(内蔵メモリかSDカードか)や保存件数・時間を確認する必要があります。いっぱいになると古いものから上書きされてしまうため、定期的な確認やデータのバックアップが必要になる場合があります。
こんな人・こんな家におすすめ:
- 日中、家を空けることが多い共働き世帯や一人暮らしの方。
- 防犯対策をさらに強化したいと考えているすべてのご家庭。
- 不在時の来客を確実に把握したい方。
スマートフォン連携インターホン
メリット:
- 外出先でも、お手持ちのスマートフォンで来客応対ができます。まるで家にいるかのように会話ができるため、宅配業者に置き配を依頼したり、急な来客にも対応できたりします。
- リアルタイムで玄関の映像を確認できるため、簡易的な見守りカメラとしても活用できます。子供の帰宅を確認したり、家の前の様子が気になった時にチェックしたりと、用途は様々です。
- 家族それぞれのスマホに通知を送ることができる機種もあり、誰が応答したかの履歴が残るなど、情報共有がスムーズになります。
デメリット:
- 導入コストが比較的高価になる傾向があります。
- 安定したWi-Fi環境が必須です。自宅のWi-Fiルーターの性能や設置場所によっては、接続が不安定になったり、応答にタイムラグが生じたりすることがあります。
- 専用アプリのインストールや初期設定が必要です。また、メーカーによっては月額利用料が発生するサービスもあります。
こんな人・こんな家におすすめ:
- 宅配便の受け取りが多い方、再配達の手間をなくしたい方。
- 外出が多く、家の安全が気になる方。
- 最新のスマートホーム技術に興味がある方。
ワイヤレスインターホン
メリット:
- 玄関子機と親機の間の配線工事が不要です。これにより、DIYでの設置が非常に容易になり、工事費用もかかりません。
- 賃貸住宅など、壁に穴を開けたり配線工事ができなかったりする物件でも設置可能です。
- 親機だけでなく、モニター付きのワイヤレス子機を増設できるタイプも多く、キッチンや2階など、好きな場所に持ち運んで使えます。
デメリット:
- 電波で通信するため、建物の構造(鉄筋コンクリートなど)や障害物、他の電化製品の干渉によって、映像や音声が途切れたり、通信が不安定になったりすることがあります。
- 玄関子機が乾電池式の場合、定期的な電池交換の手間がかかります。
- 有線タイプに比べて、映像や音声にわずかな遅延が発生することがあります。
こんな人・こんな家におすすめ:
- 賃貸住宅にお住まいの方。
- 取り付け工事の手間や費用をかけたくない方。
- インターホンを後付けしたいと考えている方。
電源方式で選ぶインターホンの種類
次に、インターホンがどうやって動いているのか、という「電源の取り方」に注目してみましょう。これは取り付け方法に直結する、非常に重要なポイントです。
電源コード式
親機から伸びる電源プラグを、近くのコンセントに差し込んで電源を取るタイプです。
メリット:
- コンセントに差すだけなので、電気工事の資格は不要です。DIYでの設置も比較的簡単です。
- 電池交換の手間がかからず、安定して電源を供給できます。
デメリット:
- 親機の設置場所が、コンセントの近くに限定されてしまいます。
- 電源コードが見えてしまうため、壁内がスッキリせず、見た目が気になる方もいるかもしれません。
乾電池式
玄関子機や親機(またはその両方)を乾電池で駆動させるタイプです。ワイヤレスインターホンに多く見られます。
メリット:
- 配線が一切不要なので、設置場所を選ばず、取り付けが最も簡単です。壁に穴を開ける必要もありません。
- 停電時でも、電池が切れていなければ使用することができます。
デメリット:
- 定期的な電池交換が必要です。特に、寒い地域では電池の消耗が早くなる傾向があります。電池切れに気づかないと、いざという時に使えない事態になりかねません。
- 電池残量が少なくなると、動作が不安定になることがあります。
電源直結式
壁の中の電気配線(家庭用電源AC100V)に、インターホンの親機を直接接続するタイプです。
メリット:
- 壁の中に配線が収まるため、見た目が非常にスッキリします。出っ張りが少なく、インテリアを損ないません。
- 電池交換や、コードが抜けてしまう心配がなく、最も安定した電源供給が可能です。
デメリット:
- 取り付け・取り外しには「電気工事士」の資格が必須です。無資格の人が作業を行うことは法律で固く禁じられており、火災や感電の危険性が非常に高いため、絶対に自分で行ってはいけません。
- 専門業者に依頼する必要があるため、本体価格とは別に工事費用が発生します。
これらの種類と特徴をまとめた表がこちらです。
| 種類 | メリット | デメリット |
| 機能:音声のみ | 安価、操作が簡単 | 防犯性が低い |
| 機能:モニター付き | 顔が見えて安心、防犯性が高い | 価格が上がる、設置スペースが必要 |
| 機能:録画機能付き | 不在時も確認可能、証拠が残る | データ保存容量に注意が必要 |
| 機能:スマホ連携 | 外出先で応対可能、見守りにも | 高価、Wi-Fi環境が必須 |
| 機能:ワイヤレス | 工事不要、設置が簡単(賃貸向き) | 電波が不安定になることがある |
| 電源:電源コード式 | 工事不要、電源が安定 | 設置場所がコンセント近くに限定 |
| 電源:乾電池式 | 完全配線不要、設置が最も簡単 | 定期的な電池交換が必要 |
| 電源:電源直結式 | 見た目がスッキリ、最も安定 | 要電気工事士資格、工事費がかかる |
失敗しない!インターホン選びの重要チェックポイント
インターホンの種類を理解したところで、次はいよいよ「自分に合った一台」を見つけるための具体的なチェックポイントを見ていきましょう。以下の項目を一つずつ確認していけば、おのずと必要な機能やタイプが絞られてくるはずです。
【STEP1】設置場所の環境を確認しよう
まずは、インターホンを取り付ける「場所」の条件を確認することが全ての始まりです。
戸建て? 集合住宅?
戸建て住宅の場合は、基本的に自由にインターホンを選ぶことができます。玄関子機から親機までの配線をどうするか、電源をどこから取るかを考える必要があります。
集合住宅(マンション・アパート)の場合は、注意が必要です。エントランスのオートロックと連動している「集合住宅用インターホンシステム」が導入されていることがほとんどです。この場合、勝手に個別のインターホンを交換することはできません。交換はマンション全体で計画的に行われるため、まずは管理組合や大家さんに相談しましょう。ただし、玄関前だけのインターホンが独立しているタイプの場合は、交換できる可能性があります。これも自己判断せず、必ず事前に確認してください。
持ち家? 賃貸?
持ち家の場合は、壁に穴を開けたり、電源直結式の工事を行ったりと、比較的自由な選択が可能です。
賃貸物件の場合は、原状回復義務があるため、壁に穴を開ける工事や、既存の設備を勝手に変更することは基本的にNGです。交換したい場合は、必ず大家さんや管理会社の許可を得る必要があります。許可が得られない場合は、工事不要の「ワイヤレスインターホン」が有力な選択肢となります。既存のチャイムの配線穴を流用できる場合もありますが、これも事前の確認が必須です。
配線の有無を確認しよう
インターホンを交換する場合、最も重要なのが「既存の配線の有無」です。今お使いのインターホン(またはチャイム)を確認してみましょう。
- チャイムやインターホンが付いている場合:玄関子機と親機を繋ぐ配線が既に壁の中にある可能性が高いです。この配線を再利用できれば、多くのモニター付きインターホンに交換できます。親機がコンセントに繋がっていれば「電源コード式」、壁に直付けされていれば「電源直結式」の可能性が高いです。
- そもそも何も付いていない場合:新規で配線工事を行うか、配線工事不要の「ワイヤレスインターホン」を選ぶことになります。
配線の種類(インターホン線、電話線など)によっても対応する機種が変わるため、不安な場合は専門業者に調査を依頼するのが確実です。
【STEP2】ライフスタイルに合った機能を考えよう
次に、あなたの暮らしにどんな機能が必要かを考えてみましょう。
家族構成で考える
- 一人暮らしの方(特に女性):防犯性が最優先です。モニター付きはもちろん、留守中の様子が分かる録画機能や、不審者を威嚇できる機能があると安心感が高まります。スマホ連携機能があれば、ストーカー対策などにも役立つかもしれません。
- 共働きのご家庭:日中留守にすることが多いので、録画機能は必須と言えるでしょう。宅配便の受け取りが多いなら、スマホ連携機能があると再配達の手間が省け、非常に便利です。
- 小さなお子様がいるご家庭:子供だけで留守番する際の安全を確保するため、モニター付きは最低限の機能です。広角レンズで来訪者の全身や複数人いるかを確認できると、より安心です。
- ご高齢の方がいるご家庭:操作のしやすさが重要です。ボタンが大きく、表示が分かりやすいシンプルなモデルが良いでしょう。また、耳が遠い方のために、呼び出し音が大きい、あるいは光で知らせてくれる機能があると便利です。
防犯意識の高さで考える
どこまでの安全を求めるかによって、選ぶべき機能は変わってきます。
- レベル1(基本の防犯):まずはモニターで相手の顔を確認する。これが基本です。
- レベル2(不在時の防犯):留守中の来客をすべて記録する「録画機能」。
- レベル3(積極的な防犯):夜間でも鮮明に映る「LEDライト」や、広範囲を確認できる「広角レンズ」。不審な物音や人影を検知して警告・録画する「センサー機能」。
- レベル4(遠隔での防犯):外出先からでもリアルタイムで家の様子を確認できる「スマホ連携機能」。
最近の巧妙な手口の犯罪から身を守るためには、より高度な機能が求められる傾向にあります。
【STEP3】モニターの性能をチェックしよう
モニター付きインターホンを選ぶなら、その「見え方」は非常に重要です。
画面サイズ
画面サイズは、2.5型くらいの小さなものから、7型といった大きなものまで様々です。一般的には、大きい方が見やすく、来訪者の表情や服装などを細かく確認できます。ご高齢の方には特に大きな画面が喜ばれる傾向にあります。ただし、画面が大きくなると親機本体も大きくなり、価格も高くなる傾向があります。設置スペースと予算とのバランスを考えましょう。
画質とレンズ
画面サイズだけでなく、画質も重要です。最近ではハイビジョン画質に対応した機種も増えており、細部までくっきりと確認できます。特にチェックしたいのが以下の機能です。
- 夜間撮影機能:夜になると自動で白黒映像に切り替わったり、LEDライトが点灯したりして、暗闇でも来訪者の顔をしっかり確認できる機能です。これは必須と考えたい機能の一つです。
- 広角レンズ:玄関先を広い範囲で映し出すことができるレンズです。来訪者の横に隠れている人がいないか、足元に荷物がないかなどを確認でき、防犯性が高まります。
- ズーム機能・パン/チルト機能:気になるところを拡大して表示する「ズーム機能」や、モニターを操作してカメラの向きを上下左右に変えられる「パン/チルト機能」。訪問者の顔をアップで見たり、玄関周りの様子を確認したりするのに便利です。
【STEP4】録画機能の詳細を確認しよう
録画機能付きを選ぶなら、その保存方法と容量も確認しておきましょう。
- 保存先:本体の内蔵メモリに保存するタイプと、SDカード(またはmicroSDカード)を追加して保存するタイプがあります。内蔵メモリは手軽ですが容量がいっぱいになると古いものから上書きされます。SDカード対応モデルなら、大容量のカードを使ったり、カードを交換してデータをパソコンに保存したりできるため、長期間の記録を残したい場合に有利です。
- 録画件数・時間:「静止画で30件まで」「動画で1件あたり10秒を50件まで」など、機種によって性能は様々です。ご自身の不在時間や来客頻度を考えて、十分な容量があるかを確認しましょう。
インターホンの取り付け・交換|自分でやる?業者に頼む?
お気に入りのインターホンが見つかったら、次はいよいよ取り付けです。自分でできるケースと、専門業者に依頼すべきケースをしっかり理解しておきましょう。安全に関わる非常に重要な部分です。
DIY(自分で取り付ける)完全ガイド
「少しでも費用を抑えたい」「自分でやってみたい」という方のために、DIYで設置する場合の手順と注意点を解説します。
自分で交換できるインターホンの条件
DIYで交換できるのは、基本的に以下の2つのタイプです。
- 乾電池式のインターホン(ワイヤレス含む):配線作業がないため、最も簡単です。説明書をよく読めば、多くの場合、特別な工具なしで設置できます。
- 既存の配線を流用する「電源コード式」のインターホン:親機がコンセントに接続されているタイプです。壁内の配線を触る必要がないため、資格は不要です。
【超重要】電源直結式の交換は絶対にNG!
繰り返しになりますが、壁内の配線に直接接続する「電源直結式」のインターホンを取り付け・取り外しするには、「第二種電気工事士」以上の資格が必要です。これは法律で定められています。無資格での工事は、漏電による火災や感電事故の原因となり、命に関わる非常に危険な行為です。絶対にやめましょう。もし、今お使いのインターホンが壁に直付けされている場合は、迷わず専門業者に依頼してください。
DIYで必要な工具
電源コード式の交換で、一般的に必要となる工具です。
- プラスドライバー、マイナスドライバー:必須です。サイズがいくつかあると便利です。
- ニッパー、ワイヤーストリッパー:既存の配線の長さを調整したり、被覆を剥いたりするのに使います。
- 圧着ペンチ、接続端子:配線同士を接続するために使います。
- テスター:配線に電気が流れていないかを確認するためにあると安全です。
基本的な取り付け手順(電源コード式の場合)
- 【最重要】ブレーカーを落とす:作業を始める前に、必ずインターホンに繋がっている回路のブレーカーを落としましょう。念のため、他の部屋の電気も消えるメインブレーカーを落とすとより安全です。
- 古い親機・子機を取り外す:ドライバーを使って、壁に取り付けられている古い親機と玄関子機を慎重に取り外します。配線を外す際は、どの色の線がどの端子に繋がっていたかをスマホで撮影したり、メモしたりしておくと、後で混乱しません。
- 新しい機器の台座を取り付ける:新しいインターホンの取り付け金具(台座)を壁に固定します。多くの場合、既存のネジ穴を再利用できます。
- 配線を接続する:玄関子機、親機の順に、取り外した時と逆の手順で配線を接続します。説明書をよく確認し、指定された端子に正しく接続してください。
- 本体を取り付けて固定する:配線が終わったら、本体を台座にはめ込み、ネジでしっかりと固定します。
- ブレーカーを上げて動作確認:全ての作業が終わったら、ブレーカーを上げます。親機の電源プラグをコンセントに差し込み、電源が入るかを確認します。最後に、玄関子機のチャイムを押し、正常に呼び出し音が鳴り、映像が映り、通話ができるかを確認して完了です。
プロ(業者)に依頼する場合
「自分でやるのは不安」「電源直結式だった」という場合は、迷わずプロに依頼しましょう。安心と安全には代えられません。
業者選びの3つのポイント
- 相見積もりを取る:複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討することが重要です。「工事費一式」だけでなく、内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。極端に安い場合は、後から追加料金を請求されるケースもあるので注意が必要です。
- 実績と口コミを確認する:その業者のウェブサイトで施工事例を確認したり、インターネットの口コミを参考にしたりして、信頼できる業者かを見極めましょう。地域密着型の電気店なども、親身に相談に乗ってくれることが多いです。
- 保証やアフターサービスを確認する:工事後の保証期間や、万が一トラブルがあった際の対応について、事前に確認しておくと安心です。
工事費用の相場
工事費用は、状況によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 既存のインターホンからの交換(配線流用):おおよそ8,000円~20,000円程度。
- 配線工事が必要な新規設置:おおよそ20,000円~40,000円程度。壁の材質や配線の距離によって変動します。
これはあくまで工事費のみの目安です。別途、インターホンの本体価格が必要になります。
賃貸物件での注意点
賃貸物件で業者に工事を依頼する場合は、必ず事前に大家さんや管理会社から「工事の許可」を得てください。無断で工事を行うと、退去時にトラブルになる可能性があります。どの範囲までなら工事が可能なのか、仕様の指定はあるかなどを詳しく確認しておきましょう。
もっと快適・もっと安全!インターホンの賢い活用術
せっかく高機能なインターホンを導入するなら、その性能を最大限に引き出したいですよね。ここでは、日常生活や防犯に役立つ賢い使い方をご紹介します。
日常生活がちょっと便利になる活用術
- 宅配便の受け取りをスムーズに:スマホ連携機能があれば、外出先からでも宅配業者に応対し、「玄関前に置いておいてください(置き配)」とお願いできます。もう再配達の連絡をする手間はありません。
- 家族間のコミュニケーションに:室内親機とワイヤレス子機の間で内線通話ができるモデルも多いです。2階にいる子供を食事に呼んだり、別の部屋にいる家族に用事を頼んだりと、ちょっとした連絡に便利です。
- 子供の帰宅をスマホに通知:スマホ連携機能の中には、登録した家族の顔を認識して、帰宅をスマホに通知してくれるものもあります。子供が無事に帰ってきたことを外出先から確認できて安心です。
- 音声での応答メッセージ:手が離せない時や、居留守を使いたい時(?)に便利なのが、あらかじめ録音しておいた音声メッセージで応答する機能です。「現在、手が離せません。後ほどおかけ直しください」といったメッセージを流すことができます。
防犯性能をさらに高める使い方
- 「モニター機能」を習慣にする:チャイムが鳴らなくても、玄関の外の様子をいつでも確認できるのが「モニター機能」です。物音がした時や、なんとなく気配を感じた時に、ドアを開ける前にまずモニターで確認する癖をつけましょう。これだけで、不審者との接触リスクを大幅に減らせます。
- 不審者には声で威嚇:モニターに不審な人物が映っていたら、通話機能を使って「何かご用ですか?」と声をかけるのが有効です。家の中に人がいることをアピールすることで、犯行を諦めさせる効果が期待できます。この時、姿を見せる必要はありません。
- 録画機能を最大限に活用:チャイムを押さない不審者(下見など)を捉えるために、人感センサーで自動録画する設定にしておくと、より防犯効果が高まります。定期的に録画データを確認し、近所で不審者情報があった際に見返すこともできます。
- 悪質な訪問販売・勧誘対策:モニターで相手の姿を確認し、不要な訪問だと判断したら、応答せずに無視するか、前述の音声メッセージで対応するのがスマートです。相手に隙を与えないことが肝心です。
これって故障?インターホンのトラブルシューティング
毎日使うものだからこそ、急なトラブルは困りもの。ここでは、よくある症状とその対処法をまとめました。業者を呼ぶ前に、一度ご自身でチェックしてみましょう。
よくあるトラブル事例
- チャイム(呼び出し音)が鳴らない
- 相手の声が聞こえない、または自分の声が届かない
- ザーッというノイズが入る
- モニターに映像が映らない、または乱れる
- 夜になると真っ暗で何も見えない
- 誰もいないのにチャイムが鳴る(誤作動)
自分でできる!初期チェックリスト
専門家を呼ぶ前に、以下の項目を確認してみてください。意外と簡単なことで直る場合もあります。
- 電源を確認する:
- 電源コード式の場合:親機の電源プラグがコンセントから抜けていませんか? 抜けかかっていませんか?
- 乾電池式の場合:電池が切れていませんか? 新しい電池に交換してみましょう。(※交換する際は全ての電池を新しいものにしてください)
- 電源直結式の場合:家のブレーカーが落ちていませんか?
- 設定を確認する:
- 呼び出し音量が「最小」や「消音」に設定されていませんか?
- マイクやスピーカーの音量が「最小」になっていませんか?
- 玄関子機を確認する:
- カメラのレンズ部分が、泥やクモの巣などで汚れていませんか? 柔らかい布で優しく拭いてみましょう。
- ボタンが何かに引っかかって、押されたままの状態になっていませんか?
- 再起動してみる:
- 電源コード式なら一度プラグを抜き、数分待ってから再度差し込んでみましょう。電子機器の不具合は、再起動で改善することがよくあります。
それでも直らない…修理? それとも交換?
上記のセルフチェックでも改善しない場合は、本体の故障や配線の断線などが考えられます。ここで考えるべきは「修理」か「交換」かです。
ひとつの判断基準は「使用年数」です。
インターホンの寿命は、一般的に10年~15年程度と言われています。設置から10年以上経過している場合は、一つの部品を修理しても、またすぐに別の部品が故障する可能性があります。修理費用をかけても、結局すぐに交換することになっては本末転倒です。
そのため、使用年数が10年を超えている場合は、修理よりも最新の機種への「交換」を検討する方が、長い目で見るとコストパフォーマンスが良いことが多いです。最新機種は機能性や防犯性も格段に向上しているため、安全性と快適性もアップします。
使用年数がまだ浅い場合は、メーカーや設置してくれた業者に連絡し、修理の相談をしてみましょう。
まとめ|最適なインターホンで、安心と快適な毎日を
今回は、特定の製品名を出さずに、インターホン選びの考え方から、設置、活用法、トラブル対処法まで、幅広く解説してきました。非常に長い記事でしたが、最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
最後に、インターホン選びで最も大切なことをおさらいしましょう。
- まずは住まいの環境を知る(戸建てor集合住宅、持ち家or賃貸、配線の有無)。
- 自分のライフスタイルや家族構成、防犯意識に合った機能を洗い出す。
- 取り付けは慎重に。資格が必要な工事は、絶対にプロに任せる。
- 価格だけで選ばず、長期的な視点で安全性と快適性を考える。
インターホンは、一度設置すると10年以上も使い続ける、暮らしのパートナーです。だからこそ、流行りや価格だけで安易に決めるのではなく、「自分の家には、どんな機能が本当に必要なのか?」をじっくり考える時間がとても大切になります。
この記事が、あなたのそんな大切な選択の一助となり、より安全で快適な毎日を送るためのきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。ぜひ、ご自身の目で、手で、最適な一台に繋がる情報を見つけていってくださいね。


